Cafe Karamazov
"One Pound of Nuts" ---------------- DSJ Member's Voice
「彼は、指をあげて、笑いながら、こう言うんです。『Gott der Vater, Gott der Sohn und Gott der heilige Geist!(父なる神よ、子なる神よ、聖霊なる神よ!)』 ぼくは、いま、戻ってきました。あなたにくるみ一袋のお礼を言うために来たんです。だって、あのころ、ぼうにくるみ一袋買ってくれる人なんてぜったいいなかったのに、あなた一人、このぼくにくるみ一袋買ってくれたんですから』。そこで、わたし、自分の幸せな青春時代と、裏庭ではだしで駆け回っていた、可哀そうな子どもを思い出したんですよ。わたし、心臓がくるっとなって、言いました。『きみは、感謝を知る青年だね。だって、きみがまだ小さかったときに持っていってあげたくるみの一袋、一生忘れずにいるんだから』。そうしてわたし、彼を抱きしめ、祝福してあげました」(『カラマーゾフの兄弟』第4部第4章より)
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